一人でオーケストラ

ピアノは、高音から低音まで、
実にたくさんの音を一人で紡ぎ出すことができます。
バイオリンのように歌い、管楽器のように響かせ、
またときには、打楽器のように軽快にリズムを刻む…。
だから、ピアノは、ソロはもちろん、
いろいろな楽器や歌の伴奏者としても活躍するのです。

私自身も、ブラスバンド(クラリネット)やオーケストラ(バイオリン)、
また、ロック(ギター)やジャズバンド(ピアノ)など、
いろいろな音楽に出会い、楽器も演奏してきました。
最終的には、それらがみんな、ピアノに凝縮されていると感じています。

▲Suite bergamasque: III. Clair de Lune

▲Deux Arabesques: Arabesque 1:
Andantino Con Moto

▲Nocturne No. 20 in C-Sharp Minor, Op. Posth.

カンタービレとおしゃべり

音楽には、もちろん技術が必要ですが、なにより大切なのは、表現する心。
カンタービレ(歌うように)で、エスプレッシーボ(表情豊かに)…。
そのためには、感受性が豊かであることがとても重要です。

ところが最近、無表情な生徒が時折います。
日々、心に沸き上がる、喜び、怒り、感動、苦悩、笑い、悔恨、涙…。
そうした千々の思いを昇華するしなやかな心。
それを、レッスンを通して培っていきたい。
だから、私は、レッスンの合間に生徒とおしゃべりをします。

生徒が何を感じ、何を悩み、何を思うか…。それを真摯に受け止め、
そこから精神的な成長と豊かな感性が引き出されていく事を願いながら。
まあ時に脱線して、ただの“おしゃべり大会”なんてこともありますが…(笑)